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徳島県議会の正式な議事録ではありません。
達田の原稿をそのまま掲載しています。
答弁は現時点で把握できた部分のみ掲載しています。

 2012年9月25日  本会議一般質問 達田良子

★米軍オスプレイ配備と低空飛行訓練について

【達田】
 日本共産党を代表して質問します。
 まず、米軍のオスプレイ配備と低空飛行問題について伺います。

6月議会本会議中に、知事は、議長とともに防衛大臣宛に徳島上空でのオスプレイなどの低空飛行訓練中止を求める要請書を提出されました。
 また、7月の全国知事会は、「政府からは、米側から提供された情報として、事故に関して機体に機械的な不具合や設計上の欠陥はなかったとの説明があったが、これで十分な説明がなされたといえず、関係する自治体や住民が懸念している安全性について、いまだ確認できていない現状においては、受け入れることはできない」と配備受け入れ反対の緊急決議を採択しました。
 9月9日には、沖縄県で、県議会全会派をはじめ、オール沖縄で、オスプレイ配備断固反対の10万1千人にも上る、沖縄の本土復帰後に開かれた米軍基地に関する最大規模の県民大会が開かれました。

こうした全国の「配備反対」の声を無視して、オバマ米政権と野田内閣は、岩国米海兵隊航空基地へのオスプレイ陸揚げを7月に実施した上に、先週、試験飛行を強行しました。そして、10月中旬には、沖縄普天間基地で本格的な配備・訓練を行うとしています。オスプレイ配備反対の国民の総意を踏みにじるアメリカ政府とオスプレイ配備を容認する民主党政権に怒りを込めて抗議するものです。 

オスプレイの配備と訓練が、防災ヘリやドクターヘリの訓練や運行に重大な障害となる危険が指摘されています。
 オスプレイが訓練をおこなうルートはほとんどが中山間地です。そのため、防災ヘリやドクターヘリの出動地域と完全に重複しています。人口密集地も危険ですが、中山間地もまた危険です。

 昨年11月29日に高知県の嶺北地域で防災ヘリが参加した病院の避難訓練中に岩国基地のFA18戦闘攻撃機が著しく低い高度で3機飛んできて、参加者や多くの県民の怒りと非難を浴びたそうです。

 高知県知事が外務省と防衛省に対して提出した要請文には、「山間部を多く抱える本県では、住民の命を守るため、防災・救急救命活動におけるヘリコプターの活用は不可欠であり、飛行ルートや時間の告知もなく行われる超低空飛行は、当該空域で年間40回以上活動する消防防災ヘリコプターやドクターヘリの航行の安全を脅かすもの」だとして、低空飛行訓練の即時中止を求めています。

 高知県でのドクターヘリの出動件数は昨年一年間に375件あったそうです。この状況は、徳島県にも大変良く似ており、むしろ、徳島県の県南では40回よりずっと多い飛行回数になると思われます。

 これまでも危険極まりない超低空飛行が繰り返されてきたのに、その上オスプレイが加わったら、どうなるのかと、多くの県民から不安の声が寄せられております。こんな危険な遭遇は、だだの一度でもあってはならないと思います。毎日新聞のアンケートで、知事は、配備にも訓練にも反対の意思を示されています。そこでお伺いします。

 県民の命を守ることが知事の最大の職責であります。特にドクターヘリの運行が開始されようとしているこの時期、あらゆる機会を通じて、日米両政府にオスプレイの配備撤回と米軍機の低空飛行中止を求めるべきと考えます、知事のご見解を伺います。


【豊井
経営戦略部長】
 「日米両政府に対し、米軍機の低空飛行の中止と、オスプレイの配備撤回を求めるべき」との御質問でございますが、
 米軍機と見られる航空機による低空飛行につきましては、市町村からの通報によりまして、県から外務省に対し、「米軍機かどうかの確認」及び「米軍機であれば低空飛行の中止」を米国に求めるよう要請してまいりました。

 米軍機と見られる航空機の目撃情報は、県南部を中心に、22年度においては9日、23年度は15日、本年度はこれまでに3日、となっており、その都度、外務省に要請をしているところであります。

 また、オスプレイにつきましては、その安全性が十分に確保されないまま沖縄県米軍普天間基地に配備されるならば、航法経路とされている本県にとっても、県民の「安全・安心」が脅かされることとなるため、本県上空での低空飛行訓練が実施されないよう、政府に対し強く申し入れを行ってきたところであります。
 
 しかしながら、去る9月19日に、政府において、オスプレイのいわゆる安全宣言がなされ、9月21日以降、山口県の米軍岩国基地で「試験飛行」が行われているところであります。

 このようなオスプレイなど米国軍用機による低空飛行訓練につきましては、国の専管事項である「外交・防衛」に関することであり、「政府の責任」において、「安全・安心の確保」について沖縄をはじめ関係自治体や国民に説明を尽くすなど、最大限の努力をすべきものであります。

 そうしたことから、政府においては、国民の不安を解消し、十分な理解が得られるよう、引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
 
 県といたしましても、県民の皆様の「安全・安心の確保」を図る観点から、今後ともオスプレイなど米国軍用機の低空飛行が実施されないよう取り組んで参りたいと考えております。



★オスプレイ再質問

私たち県議団は、9月7日、東京に行き、防衛省から現状などについて伺ってまいりました。これほど危険だと言われ、全国から反対の声が上がっているにもかかわらず、日米安保条約、日米地位協定が結ばれているからオスプレイの配備や低空飛行訓練中止をアメリカにはいえない、安全にとお願いするだけだとの話でした。また、オレンジルートなど具体的にどこの市町村の上空を通るのか、外務省や防衛省すら把握していないという状況に、「いったいどこの国の役人なのか」と愕然としました。

日米両政府は、オスプレイ配備が、「日本の防衛」や災害対策に役立つとさかんに強調しますが、「日本防衛」とは全く無縁です。
 そうであることは、1982年、ワインバーガー米国防長官が、米議会に提出した回答書で、「沖縄に配備されている海兵隊は、日本防衛の任務を持っていない」と明言していることでも明らかです。オスプレイ配備は、戦闘能力を強化して、敵地に潜入できる海外派兵能力をつけるために、他国のレーダーをかいくぐって敵国に侵攻するために低空飛行訓練をするのです。
 
 さて、日本政府がオスプレイについて「運用の安全性は確認された」と一方的に宣言し、「飛行運用を開始する」ことを受入れ、山口県岩国基地で試験飛行が行われています。10月から普天間基地で運用を始めるといいます。

国民の理解が得られなくても、日本政府としての「安全性」の確認作業が終わったので「アメリカの飛行運用が始まる」とのべました。まったく国民を無視した姿勢です。
 
 こうした中、この28日に防衛省からオスプレイの安全性などについて説明があるということですが、この説明を受けて、県の姿勢が変わることはないのかお尋ねします。


【豊井経営戦略部長】
 まず、オスプレイに関しまして再問いただいておるわけでございますが、28日に防衛省のほうから説明に来て、安全宣言の内容について説明を受けた後も県の立場に変わりはないかという御質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、オスプレイにつきましては、政府からの説明がまだまだ十分に尽くされたとは言えないと考えておりまして、オスプレイが配備される沖縄を初め、国民の皆様の不安は払拭されていないと言わざるを得ないと考えているところでございます。

 こうした安全性が十分に確保されないまま沖縄県米軍普天間基地に配備されるならば、オスプレイの航法経路とされております本県にとっても県民の皆様の安全・安心が脅かされることになるため、本県上空での低空飛行訓練が実施されないよう求めたいと考えるところでございます。
 県民の安全・安心の確保はけんとしての最大の責務でございまして、今後とも、オスプレイなど米国軍用機の低空飛行訓練が実施されないようしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。




●原発即時ゼロの立場に立つべき

【達田】
つぎに、原発即時ゼロを求める立場で知事に質問します。

 昨年3月11日に発生した福島原発事故はいまだに収束していません。地震・津波、原発事故から1年7ヶ月がこようとしている現在も、東北の避難者は約33万人、そのうち福島県での避難者数は15万人を超え、除染も進まず、放射能汚染による被害の大きさは想像を絶するものです。

 ひとたび重大事故が起き、放射性物質が外部に放出されると、それを完全に封じ込め処理する技術がないという、原発の根本的な危険性が明らかになっています。その被害は、土壌、水道水、牧草、農産物、水産物など広範囲、長期にわたり、人間社会、地域社会そのものを破壊し、多くの人々の故郷を奪ってしまいました。

 このような事故の重大性を目の当たりにし、「もう原発はいらない」という国民の声が大きく広がっています。

 7月に出された「国会事故調査委員会」報告では、事故の根源的な原因として、電力会社や規制当局が自ら作り出した安全神話のとりことなって、事故防止のための当然打つべき手を打たず、シビア・アクシデントに対する備えも覚悟も不十分だったことが指摘されています。これは、日本の電力会社や規制当局には原子力発電所を運営する資格・能力がないことを示しています。

 そこで、知事に伺います。 原発即時ゼロを求める国民世論が大きくなっております。
徳島県として「原発即時ゼロ」の立場を表明し、国にも働きかけるべきと考えるものですが知事の所見を伺います。


【熊谷政策監】
 
県として、原発即時ゼロの立場を表明し、国に働きかけるべきではないかとの御質問でございますが、将来のエネルギー政策につきましては、昨日来代議員の御質問に対しまして知事から答弁がありましたように、原子力政策がこれまで国策として推進されてきたことを踏まえ、まずは国の責務として原子力発電の世界最高水準の安全性の確保に万全を尽くすことが何よりも重要であり、これと平行して太陽光、風力、小水力などの再生可能エネルギーの積極低奈活用を推進し、将来的には原子力発電に依存しないシステムの構築を目指すべきといたしておるところでございます。

 原子力政策を含む将来のエネルギー政策のあり方につきましては、外交政策等とともに国の基本政策の1つであり、国による安全・安心の確立を大前提として、エネルギーの安全保障、エネルギーコスト上昇による産業経済社会への影響、地球温暖化問題への対応など、今後多元的な視点で、さらなる議論を深める必要があり、その議論を進める上で新たな安全基準は必要不可欠であると考えております。

 そこで、これまで関西広域連合として、国会同意のもとで早期の原子力規制委員会の設置、原子力規制委員会のもとで早急な新しい安全基準の策定などを求める声明を取りまとめ、国に対し強く要請してきたところであり、去る十九日には、要請とは異なる形とはなりましたが、ようやく原子力規制委員会が発足したところであります。
 今後、この委員会による世界最高水準の安全基準の一日も早い策定について、県といたしましては、引き続きあらゆる機会を通じ、国に対して要請してまいりたいと考えております。


●原発問題再質問 
伊方原発は廃炉に


【達田】
 次に、先ほどエネルギー問題でお伺いしましたが、エネルギー問題と原発問題は切っても切り離せないと思います。私は、ぜひとも、この原発問題では、四国の伊方原発は廃炉を目指すべき、こういう立場に立っていただきたいという、そういう思いでお聞きいたします。

原発がなくても電気は足りています。

 今年4月に四国電力が発表した「8月の需給バランス見通し」では、平年並み気温で節電織り込みの場合最大電力が561万kW、これに対する供給力は587万kWで、予備力は26万kW、4.5%と予測されていました。さらに平成22年並みの猛暑であれば最大電力585万kW、供給力は587万kW、予備力は2万kWで、0.3%、猛暑で節電なしだと10万kW不足すると予測していました。

 私は、今年の夏、四国電力の「でんき予報」を毎日チェックしてきましたが、今夏の最大電力は、8月7日の526万kWでした。供給力は7月30日〜8月10日の最も昼間の気温の高い期間で594〜599万kWありました。

 7月2日から、真夏日と云われる70日間見てまいりましても、500万kWを超えたのは11日です。これも平日の昼間の数時間です。

四国電力は、最大電力を多く、供給力を少なく見積もって、さらに計画停電の実施もありうるかのように言って、電力不足への不安をかきたててきたと言われても仕方ないと思います。

 県民は、県の省エネ提案のとおり、家庭用や業務用で節電に協力し、効果をあげてきました。いま、県民は原発のリスク、危険を福島原発事故から学んでいます。

 また、折りしも、先日県は、最大クラスの津波をひこおこす海溝型地震と同様に、発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害が想定される讃岐山脈南縁の「中央構造線活断層帯活断層図」を公表しました。

関東から九州まで全長1千キロ以上も続く日本最大の断層は、徳島県からさらに西に伸びて、伊方原発の沖合い数キロの海底を佐田岬と並行して走っています。この巨大な活断層が伊方原発にどういう地震をもたらすのか、見直しの必要性がクローズアップされています。  

伊方原発の危険性の問題であるとか、伊方原発がなくても、電力は、十分賄えているという事実、また全国で「原発即時ゼロ」を求める人々の願いが日々大きくなっているということ、こうしたことをふまえて、徳島県は、伊方原発の再稼動はさせずに廃炉をめざすべきとの立場に立つべきと、私は考えますけれども、知事はどうお考えなのかお尋ねいたします。


【熊谷政策監】
 伊方発電所の再稼動につきましてご質問いただいております。
 原子力政策がこれまで国策として推進されてきたことを踏まえ、まずは国の責務として原子力発電の安全性の確保に万全を尽くすことが何よりも重要であり、これと平行いたしまして太陽光、風力、小水力など再生可能エネルギーの積極的な活用を推進し、将来的には原子力発電に依存しないシステムの構築を目指すべきと考えております。
 
 また、伊方をはじめとする個別の原発の再稼動につきましては、立地自治体の原発の安全性に対する対応、原子力規制委員会がこれからつくるであろう世界最高基準の安全基準に照らし合わせて、その基準に対しての対応や考え方を第一といたしまして、我々といたしましても、立地自治体をサポートする形でしっかり対応してまいりたいと考えております。

 

●自然エネルギーの導入について

【達田】
 つぎに、自然エネルギーの導入について伺います。
 県は、「自然エネルギー立県とくしま推進戦略」を策定し、「エネルギーの安定供給」や「省エネ社会の実現」が国民的課題となっているとし、太陽光、風力、小水力、バイオマスなど自然エネルギーの普及拡大を進め、県下全域で「エネルギーの地産地消」を加速していくとしています。

 県内の自然エネルギーの賦存量は、太陽光、風力、小水力、バイオマスで年間合計5兆3500億kWhで、このうち、利用可能量は20億4700万kWhで、これは、年間電力使用量の約3割にあたるとされています。

 現在、本県の自然エネルギーによる年間発電量は2億6500万kWhで、県内電力使用量における割合は、3.6%、これは、国全体の比率より高い状況ということです。徳島県は、自然エネルギー導入を加速させていくために必要な高いポテンシャルを有する「自然エネルギーの宝庫」だとしていますので、この推進戦略の数字に当てはめても、今の10倍に増やしていける可能性があるわけです。

 現在、企業局によるメガソーラの導入など積極的な姿勢が見える一方で、太陽光発電の公共施設や一般家庭への導入促進は、今後の課題だと思います。

 そこで、お尋ねします。自然エネルギー設備の導入について、事業者への支援だけでなく、すべての公共施設や一般家庭への導入支援を行うとともに、自然エネルギーによる発電量の目標値を掲げて強力に推進するべきと考えますが、知事の所見を伺います。


【飯泉知事
 「自然エネルギー設備について、すべての公共施設、家庭への導入支援を行い、発電量の目標値を掲げて推進すべき」とのご質問でございますが、
 本県では、「太陽光」「風力」「水力」などの恵まれた地域資源を最大限に活用し、自然エネルギーの導入を促進するため、本年3月に、「自然エネルギー立県とくしま・推進戦略」を策定し、各種施策を着実に実施しております。

 今年度からは、「メガソーラー」をはじめとする自然エネルギー発電設備の立地を促進する「全国トップクラスの補助金」や、自然エネルギー関連設備の導入に対する「低利の融資制度」を創設するなど、戦略的に施策を展開しているところであります。

 議員ご提案の公共施設への導入につきましては、これまでも、太陽光発電設備などの整備を進めてきたところでありますが、今年度、四国で唯一、本県が選定されました国の「グリーン・ニューディール・基金事業」を活用し、このたび、県や市町村の「防災拠点」、計41箇所での整備を決定いたしました。

 この事業の執行に当たりましては、国の事業実施期間を「前倒し」することとし、今後、3年間でスピード感を持って、公共施設への自然エネルギーの導入に取り組むこととしております。


 また、家庭への導入につきましては、県の「情報サイト」や「リーフレット」による周知に加え、今後、事業者や家庭への「省エネ診断」とあわせて、国や県、市町村の助成制度の紹介など、自然エネルギーの導入について積極的に提案を行うことにより、さらなる促進を図って参りたいと考えております。

 「自然エネルギーによる発電量の目標値」につきましては、現在、国において、導入目標を含む新たな「エネルギー基本計画」の策定に向け、検討が進められているところであります。

 また、先ごろ、閣議決定には至らなかったものの、国が策定した「革新的エネルギー・環境戦略」においては、「クリーンエネルギー改革の実現」を柱の1つとし、再生可能エネルギーは、2010年1100億kWhから、2030年までに3000億kWh以上と、現状の約3倍となる開発を実現するとされており、さらに、年末を目途に、その実現に向けた「工程」を具現化した「グリーン政策大綱」を策定し、これを国民に提示して、「目標や負担」を共有するとしております。

 今後とも、「自然エネルギーの導入目標」はもとより、具体的な工程、必要となる施策など、国の動向を注視しながら、自然エネルギー推進に係る「地方の主体的役割」がしっかりと果たせるよう、積極的に施策を推進して参りたいと考えております。



●エネルギー問題再質問 推進期間について

【達田】
 徳島県が策定している「自然エネルギー立県とくしま推進戦略」で、「全国のモデルとなる「自然エネルギー立県とくしま」の実現を図っていく必要がある。」と力強く述べています。

 この戦略に基づいて進んでいくなら、徳島はドイツと肩を並べる本物の自然エネルギー立県にすることができるのではないかと思いました。

 しかし、推進期間が、24、25、26年度と3年間と短いのではないかと思います。これで大丈夫なのでしょうか。その後の推進体制はどうなるのかお尋ねします。

【飯泉知事】
 
達田議員の自然エネルギーに対する県の取り組みについての再質問にお答えいたしたいと思います。
 今、ドイツのお話も例に出されまして、今後のいわゆる再生可能エネルギー、自然エネルギーに対しての本県の戦略、改めてご質問いただきました。
 例えば、今後のエネルギーの政策をどうしていくのか、その大きな着眼点としてまず三つございます。
1つは、原料の安定供給といったこと。二番目としては、電力料金への影響と国民経済への波及。実はドイツにおきましては、ここが大きな、実は支障、障害となってきているところであります。そして、エネルギーの安全保障。この三つの観点から議論が必要である、このように考えるところでありまして、まずは一義的には国の責務として、先ほどもお答えいたしました国としての目標、あるいは方針を決定していただく必要がある、このように考えるところであります。
 今後、国において策定されるグリーン政策大綱の動向、これをしっかりと注視し、国の目標がしっかりと決定された際には、全国における本県としての役割、こちらをしっかりと踏まえ、独自の例えば目標の設定などについてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。


 

■消費税増税中止を求める

 つぎに消費税増税の中止を求める立場から伺います。

8月10日、民主、自民、公明などの賛成多数で消費税増税法案が成立しました。どの世論調査でも増税反対の声が過半数であっただけに、国民無視の暴挙であると、この場を借りて強く抗議します。さらに、民主党に関して言えば、明白な公約違反です。この裏切りに対する怒りが、野田内閣支持率低下の大きな要因のひとつになっているのも間違いないと、指摘をさせていただきます。

私達日本共産党は、今後、2014年4月に増税を実施させないための国民運動を、繰り広げてまいります。

一方、これまで飯泉知事ご自身も、日本共産党の本会議での質問やマスコミからの質問に答えて、現時点での増税は「消費行動を抑制し、かえって税収減になる」と指摘をされ、「所得が少ない家計ほど負担割合が高くなる逆進性」の問題についても、解決の必要性について述べてこられました。

同時に知事は、「将来における増税の必要性自体は必ずしも否定しない」と述べておられます。この点については、私達日本共産党の立場とは距離があります。

私たちは、大企業・大資産家に応分の負担を求めることや軍事費の削減、大型公共事業の無駄遣い削減などで今後の社会保障財源の捻出や財政危機の打開は可能だという考えです。

しかし、それにしても、今回、低所得者対策も、経済への悪影響についての対策もなんら具体的手当てがなされないまま、増税だけが決定されたということについて、県民の代表である知事として、どのようにお考えでしょうか。

そこで改めてお尋ねします。知事は、消費税増税が予定どおり実施された場合、県下業者の営業や県民生活にどのような影響があるとお考えか、また今回の増税法案可決についてどのような認識をお持ちか、お答えください。

 
【飯泉知事】
 「消費税増税による県内事業者や県民生活への影響、また、増税法案可決」についてのご質問でございますが、
現在、わが国は、「百年に一度の経済危機」真っ只中に起こった「千年に一度の大震災」に加え、史上最悪の「円高基調」が続くなど、まさに「国難」ともいうべき状況にあり、こうした状況において、「単に」増税を強いることは、わが国経済を下支えしている県内中小零細企業の皆さん、また、日々の暮らしにも困窮されている方々に、より一層厳しい負担となるものであります。

 「人口減少」や「少子高齢化」の進行により、「持続可能な社会保障」の維持が厳しくなりつつある現状を踏まえますと、将来的な安定財源の確保として、消費税増税の必要性を否定するものではありませんが、増税に際しては、まずもって、「確かな成長」の実現を目指す「実効ある施策」に全力で取り組む必要があります。

 また、所得が少ない家計ほど負担割合が高くなる、いわゆる「逆進性の問題」を踏まえ、消費増税にあたっては、生活必需品を非課税としたり、軽減税率を適用すること、取引上、不利な地位にある中小事業者のための「消費税の転嫁や価格表示に関するガイドライン」の策定など、「きめ細やかな配慮」がなされるべきであります。

 さらに、国民の理解、協力には、「暮らしの安心」を実感できる社会保障の制度設計に合わせ、「徹底した行財政改革」への真摯な努力が強く求められます。

 法案は、可決成立いたしましたが、政府においては、今一度、お年寄りの皆さんをはじめ、日々の暮らしにお困りの方々、額に汗し、ご苦労されている事業者の皆さんの声をしっかりと受け止め、消費税が、国民生活や地域経済に及ぼす「負の効果」を具体的に検証し、「明確な対策」を示す必要があります。

 将来に「安心と希望」を持てる社会づくりを目指すためには、中小事業者や生活者の「生の声」にしっかりと耳を傾ける「血の通った政府の姿勢」が必要であり、今後とも、徳島こそが、「地方の声」を結集し全国の議論をリードする先導役として、全国知事会との緊密な連携のもと、県民の、そして地方の「切実な声」を国に対し強く訴えて参ります。


津波・防災対策 避難所整備について

【達田】
 国による「南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等及び被害想定」が発表され、徳島県内での浸水区域が約118平方km、死者数は最大3万3千3百人、全壊棟数は最大13万3600棟と厳しい想定が出されました。

 内閣府防災担当の「『最大クラスの地震・津波』への対応の基本的考え方」では、最大クラスの地震・津波の発生頻度は極めて低いものであるが、命を守ることを最優先として、最大クラスの津波への対応を目指す必要があると述べています。

 今、津波被害想定地区で住民の声をお聞きすると、特にご高齢の方々から、「大津波がきたら、もう助からないだろうから逃げない。」という答えが返ってくることが多く、避難意識の徹底の難しさを感じます。
 ただし、避難場所がより近い所にある場合には、避難するという方が多いのに対して、避難場所が遠い、また適当な場所がないなどの場合には、避難をあきらめているという方が多いように思います。

8月30日に「スーパー広域災害に備える自治体の課題」と題して行われた、河田関西大学教授の講演で大きなヒントをいくつもいただきました。その一つに、東日本大震災の生存者アンケートで、避難距離の平均が徒歩の場合で438mだったと報告されていました。

津波避難施設の整備については、この貴重な経験を元に、取り組んでいくべきだと思いました。そこで、お尋ねします。

「逃げることは生きること」という趣旨を徹底させるためには、徒歩で逃げられる距離に適切な避難所があることが前提となります。おそらく今よりも多くの避難所が必要になると思われますが、それらの整備について、どのように進めていく計画か、お考えをお尋ねします。 


【納田危機管理部長】
 徒歩で避難できるような身近な避難場所の整備をどのような計画で進めていくのかとのご質問でございますが、午前中重清議員のご質問に知事から御答弁いたしましたように、本県におきましては先般国が公表した南海トラフの巨大地震に関する被害想定を受け、独自の津波浸水予測を早期に作成し公表することといたしております。
 沿岸市町におきましては、この予測結果に基づき、具体的な避難場所や避難路などを盛り込んだ津波避難計画を速やかに策定していただくことになります。

 とりわけ徒歩で避難できるような計画の策定に際しましては、決め細やかで身近な地域情報に精通した地元住民の皆様方と津波浸水深や到達時間などの情報を有する地方自治体との間において、十分な意見交換を行い、例えば住民参加によるワークショップ形式での具体的な避難の場所や方法などの検討によりまして、それぞれの地域の実情に合ったより実効性の高い計画としていただきたいと考えてございます。
 県におきましては、これまでも沿岸市町が行う避難場所や避難路などの整備に対し支援を行ってきたところでございますが、今回新たに迅速な津波避難計画の策定を支援するための補正予算案を今九月定例会に提出させていただいたところでございます。

 今後とも、国におけるさまざまな制度も活用し、避難場所の整備を含めた沿岸市町の津波避難対策が速やかに進みますよう積極的に支援してまいりたいと考えております。

▽不祥事の再発防止について

【達田】
 次に、県職員の不祥事の再発防止について伺います。

 次々と続く県職員の不祥事について、県民から「何をしているのか」と、私たちにもお叱りの声が届きます。昨年度に続き、半年もたたないのに、すでに免職になった職員が1名、停職になった職員が2名と相次いでいます。セクハラとか、研修期間中ほとんど出ず、私的な旅行に行っていたとか、上司が研修に出ていないのを知っていたのに旅費支給をしたなど、信じられない不祥事が続いています。
 こうした不祥事が二度と起きないように、日常的な倫理の醸成はもちろんですが、不祥事が起きたときの対応のあり方が問われています。 そこでお尋ねします。

 出張旅費などは、それぞれの部署で、複数の職員によるチェック体制にするとともに、正しい使い方がされているか、過去5年間の分について、一斉に調査するべきではありませんか。お答えください

豊井経営戦略部長
 旅費支出などについてのご質問をいただいているところでございます。
 本県におきましては、平成21年度にICTを活用いたしました旅費システムを導入し、事務の正確かつ効率的な執行を図っているところでございます。職員が出張を行おうとする際には、このシステムを用いまして、まずは職員みずからが出発日や用務の内容、利用する交通機関などを旅費システムに入力することで出張伺いを作成いたしまして、次に担当リーダーや旅費予算担当者がそれぞれ内容が適正であるかを確認した上で、最終的に所属長が内容確認を行い決済するという手続きを経まして旅行命令がなされることとなっております。
 また、旅費の金額につきましては、旅費事務を集約して処理を行っております担当課におきまして、経路の妥当性や経済性を勘案して出張の算定を行っておりまして、出張する職員が恣意的に操作することが出来ない仕組みとなっているところでございます。
 さらに、旅費の支出に当たりましては、出張した職員が所属長や担当リーダーなど上司に対して復命を行うこととともに、旅費システムにより精算の報告をいたしまして、所属長が内容について再確認の上、決済を行ったものにつきまして、支出処理が実施されることとなっているところでございます。
 
 議員からお話のありました先の「不適切な出張」につきましては、平成20年度に教育委員会において生じた事案であり、平成21年度以降、こうした複数の職員による「重層的なチェック」がなされる体制が構築されていることから、本県における旅費の支出手続きは、適正に実施されているものと考えているところであり、現時点において、一斉調査の実施までは考えておりません。
 
 また、先の事案を受けて、各職員に対し、これまで以上に全体の奉仕者としての立場と職責を強く自覚し、常に高い「倫理意識」を持って公道するよう強く求めるとともに、所属長に対しては、出張時の服務管理をより一層徹底するため、旅行命令前における具体的な出張内容の確認や、復命時における用務の遂行状況等の確認を徹底するよう改めて周知したところであります。

 今後とも職員倫理の確立に向けた取り組みをさらに徹底するとともに、旅費などの事務処理については、適正なものとなるよう、しっかりと取り組んで参りたいと考えております。


☆いじめ問題について

【達田】
 最後に
全国で深刻な問題が続発している学校での「いじめ」問題について、お尋ねします。
 本県のいじめ問題についても、県警の「いじめホットライン」に平成23年度よせられた学校でのいじめ問題の相談は、67件にのぼり、いじめによる暴力や名誉毀損で県警に被害届が出されたものも、本年度はすでに2件あります。また、国と県が学校から報告を求めて集約した「問題行動調査」でも、県下公立学校での平成23年度いじめ認知件数は、小中高特別支援学校あわせて344件となっています。同調査によると、中学校では、いじめによる不登校が23年度21件にのぼっています。

幸い23年度にいじめによる自殺は、本県ではありませんでしたが、子どもの心に深い傷を残し、教育を受ける権利さえ奪うことになるいじめ問題は、本県でも深刻であるといわざるを得ません。

こうした状況にたいし、国も従来の対策だけでは対応しきれていないと、スクールカウンセラー増員や法務省人権擁護委員の増員など、対策を考えていると報じられます。文科省内に専門的な助言指導をおこなう組織をつくることも検討されてると報じられています。

これらはいずれも、文科省本省、教育委員会・学校や警察、法務局という従来の枠組み強化ともいえる対策ですが、注目すべきは、いじめ問題で学校や生徒を支援する専門家組織を来年度から、希望する自治体に対して、国の全額負担で、第三者機関として設ける考えを文科省が示していることです。

その具体的な中身は、まだ明らかではありませんが、地方ではすでに札幌市や川崎市で、いじめをはじめとする子どもの人権侵害にたいして、おおもとは子どもの権利条約に基づいた、第三者による相談・救済機関が設けられています。

子ども自身が主権者として、自らの人権を守るために申告をし、これをうけて条例により一定の権限を与えられた弁護士らによる救済機関が、学校現場にも出向いて問題解決にあたるという仕組みです。もちろん、保護者からの申告もできるわけです。

いじめや校内暴力などがおきたとき、問題の対応いかんでは、しばしば学校と保護者生徒が相互の信頼関係を失って対立してしまうことがあります。生徒自身が、教師に対する不信感をいだいて、相談できなくなることもあります。そうしたとき、中立公平な立場で相談に応じ調査もおこなう外部の窓口というものがあれば、保護者生徒だけでなく学校にとっても大きな助けになるものです。

そこで伺います。弁護士や臨床心理士などからなる外部の相談窓口を設置し、いじめの相談や調査ができる、全国でもトップレベルの取り組みをすすめるべきと思いますが、お考えをお聞かせください。


【教育長】
 作成中

 


2012年9月18日  尖閣諸島問題

「香港民間団体による領海侵入及び尖閣諸島不法上陸に関する意見書(案)」に対する反対討論                         

 私は、日本共産党を代表して「香港民間団体による領海侵入及び尖閣諸島不法上陸に関する意見書(案)」に反対の立場で討論を行います。

  日本政府が尖閣諸島を国有化したことに反対する抗議デモは中国各地におよび、中には、日系企業の焼き討ちや、略奪行為、日本人への暴行事件などが連日おき、また今後は、子どもを含む在留邦人へ矛先が向けられているということで、大きな動揺と不安が広がっています。

  いかなる理由であっても、批判や抗議の意思を暴力で表すことは、どんな場合であれ絶対にあってはならないことです。

 日中両国政府は、国民が冷静な行動をとるよう最大限の努力をはらう責任があります。

  尖閣諸島をめぐる問題について、私は、先の6月県議会でも詳しく見解を述べ、「尖閣諸島を購入しても、問題の解決にならないこと、自衛隊の領域警備のための法制度確立では、かえって国際間の緊張を高める懸念が増大すると指摘し、尖閣諸島をめぐる領土問題の解決は、日中両国の緊張を激化させる言動をいずれの政府も慎み、「歴史的事実と国際的道理を踏まえた冷静な外交交渉を行うこと」が必要と述べてきました。

いままさに、中国にも理をつくして説明をし、緊張を高めるような行為に対して自制をうながすねばり強い交渉をおこなうべきです。

尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本が領有しているのであって、中国は、1970年以降、突然領有権を主張し始めましたが、これは成り立たないものです。 
領土紛争においては、相手国による占有の事実を知りながらこれに抗議などの反対の意思表示をしなかった場合には、相手国の領有を黙認したとみなされるという法理も国際裁判所の判例などを通じて確立してきています。この法理にもとづいて、1895年の日本の領有宣言以来、中国側は、75年間にわたって、一度も抗議をおこなっていないことは、日本の領有が国際法上正当なものである決定的な論拠のひとつとなります。

尖閣諸島にたいする日本の領有権は、歴史的にも、国際法上も明確な根拠がいくつもありますが、問題は、尖閣諸島をめぐる紛争を解決するためにどうするか―ということです。

決め手は、日本政府が尖閣諸島の領有の歴史上、国際法上の正当性を国際社会と中国政府に対して、正々堂々と主張し、外交努力を尽くすことです。

この点では、歴代の日本政府の責任が問われます。1972年の日中国交正常化以来、本腰を入れて日本の領有の正当性を中国側に対して主張してこなかったからです。
 領土確定の好機だった1978年の日中平和友好条約の交渉過程では、中国のケ小平副首相(当時)が尖閣領有問題の「一時棚上げ」を唱えたのに対し、日本側は領有権を明確な形では主張しませんでした。

1992年に中国が「領海および接続水域法」という国内法で尖閣諸島を自国領と明記した際には外務省が口頭で抗議しただけで、政府としての本腰を入れた政治的・外交的な対応をしませんでした。

民主党政権でも、2010年9月の中国漁船衝突事件以降、30回以上にわたって日中間の首脳会談・懇談、外相会談が行われましたが、これらの機会に尖閣問題で突っ込んだやりとりがされた形跡はなく、日本政府が国際社会に主張した例も見当たりません。先月23日の衆院予算委員会でも、わが党議員の質問に対して、玄葉外相は、「領有権の問題は存在しない立場だ。われわれからこのことを説明しない方がいい」と答弁しています。

日本政府としてこのような対応を続けていいのかが問われています。理を尽くして主張する冷静な外交努力を怠ってきたことが、今回のような事態が繰り返される根本にあるのですから、今こそ、本格的な外交努力が必要です。

つぎに意見書の問題点について指摘しておきます。

意見書案、第2項、第3項であげている「領土・領海を守るために必要な法制度の整備」また「南西諸島防衛を強化する施策を実行すること」「施設の整備」とは、「尖閣諸島を守る全国国民集会」などで決議されている「自衛隊の領域警備のための法整備」と施設整備であることは明らかです。警備を強化することはもちろん必要ですが、自衛隊配備によって尖閣諸島周辺で軍事的緊張を高めていくことは、外交努力と話し合いによる解決を妨げ、事態をなお深刻化させてしまう恐れが大であることから賛成できません。

 また、第4項では「そもそも領土問題は存在しないという明確な事実を国際社会に示す外交努力を行うこと」とありますが、これまで述べたような歴史的事実を国際社会に示すことなく「領土問題は存在しない」というだけでは、事態は解決できないと考えます。

 徳島県議会は、沖縄県議会の決議と同様に、「日中両国間の感情的な対立、緊張のエスカレートを自制し、歴史的事実と国際法上の道理にのっとり、冷静かつ平和的な外交交渉で解決を図る」ことを求めるべきです。

以上の理由から、「香港民間団体による領海侵入及び尖閣諸島不法上陸に関する意見書(案)」に反対いたします。議員各位の冷静な判断をいただきますようお願いし討論といたします。

 


 
 23年度2月定例議会は3月21日に閉会しました。
 日本共産党は、知事から提出された97議案のうち5議案に反対、92議案に賛成しました。
 5議案に対する反対の理由と、請願24号は「不採択」でなく「採択するべき」と討論しました。




2012年3月21日   討論者  達田良子
 議案に対する反対討論

 私は、日本共産党を代表して、提出された議案のうち、議案第一号、第十三号、第十四号、第五九号、第九六号の5議案に反対の立場で、また請願24号「消費税増税の反対について」は、不採択でなく、採択するべきという立場で討論いたします。

 議案第一号、「平成二十四年度徳島県一般会計予算議案」に関する反対理由の主なものは、
まず、一民間業者である徳島化製事業協業組合に対する、約1億3千6百万円もの補助金です。かつて、国、県、徳島市が二度に亘って60億円も無利子融資をし、その返済を県が補助金という形で肩代わりしてきたもので、24年度予算を合わせると、平成6年からの補助金合計は約46億6千万円にものぼります。
このような補助金は県民の納得できるものではありません。

 次に、関西広域連合分賦金予算5千2百1万1千円です。
関西広域連合は、グローバル化した大企業に都合の良い国づくりをねらった道州制へのステップであるということ、周辺部の地域には多様な意見がありますが、大阪中心で地域間格差が広がるおそれがあること、負担金が年々増大していることや、今この段階でも、県民的な議論が尽くされておらず、必要性が県民には不透明な状況であるなどの理由から、この予算には反対です。

 また、鉄道高架事業や旧吉野川流域下水道事業など、見直しが求められている予算が組まれる一方で、地震対策に重要な課題となっている、木造住宅耐震化事業や、安全・安心リフォーム事業予算が減額されるなど、防災への備えに危機感の薄い予算となっていることも指摘しなくてはなりません。

 議案第十三号は、「公用地公共用地取得事業特別会計事業予算」です。道路状況が変化し、今は必要としない内環状線道路の用地取得のための予算が計上されています。

 議案第十四号は、「流域下水道事業特別会計予算」です。巨額を投入し続けてきた旧吉野川流域下水道事業は、合併浄化槽整備で汚水処理に対応すれば費用が安く出来たのに、全く見直しもされず、賛成できません。

 議案第五九号、「徳島県病院事業の設置等に関する条例の一部改正について」は、県立中央病院の改築にともなうものですが、歯科を廃止し、血液内科、糖尿病・代謝内科を新たに新設するとしていますが、入院ベッド数が計40床減り、特別初診料、分娩初診料、分娩介助料、個室使用料などの値上げとなっています。
県民負担を増やす内容であり、反対です。

 議案第九六号、「関西広域連合規約の一部変更に関する協議」は、二府五県の参加の上に、大阪市、堺市の加入を認めるかどうかの議案です。
 広域連合に対する考えは先ほど述べましたが、今回の変更で、大阪府内の委員数が、これまで25%だったのが27.6%になり、ますます大阪中心の運営となり、地方の意見が片隅に追いやられかねないと懸念されます。

 以上、五議案に対して反対の理由を述べました。


請願「消費税増税の反対について」は採択するべき

 つぎに、請願24号は、「消費税増税の中止を求める意見書を国に提出すること」を求めているものであり、不採択でなく採択するべきです。

 民主党政権は、「社会保障・税の一体改革」と称して消費税の大増税を打ち出し、今月末までの法案提出を目指していますが、国民の間では批判と不安が高まっています。
 消費税が導入された1989年度から2012年度予算案までの消費税収251兆円は、法人税などの減収233兆円の穴埋めに消えたという数字もあります。
 しかも「一体改革」案は、年金支給額の引き下げや支給開始年齢の引き上げ、医療費の患者負担増など軒並み改悪する計画で、「社会保障のため」といいながら、医療、介護、年金、保育、生活保護など社会保障を切り捨てるものです。

 消費税増税は庶民の家計を直撃します。被災された方々にも容赦なくのしかかり、消費税を価格に転嫁できない中小業者にとっては事業が続けられずに倒産に至る事態も予測されています。国民の消費がさらに落ち込み、日本経済はさらに深刻な危機に陥ることになります。

 今、必要なことは、大企業や富裕層優遇の税制を改めること、政党助成金や、在日米軍の経費など必要の無い軍事費を削減すること、大企業中心の大型開発を見直すなど、税金の集め方と使い方を改善することです。

 国民にとって、最大の不公平税制である消費税は廃止をするべきであり、増税を行うべきではありません。
 よって、請願24号は採択「するべきです。


以上、五議案に反対の理由と、請願24号は採択するべきとの理由を述べました。
議員各位のご賛同をお願いして、討論を終わります。


 


 2012年3月21日  討論者 達田良子

「農業者戸別所得補償制度等の農業政策の見直しを求める意見書」反対討論

 

 私は日本共産党を代表して、「農業者戸別所得補償制度等の農業政策の見直しを求める意見書」に反対の立場で討論いたします。

 反対理由の第1は、意見書が、「わが国の食料自給率の向上のためには農業者戸別所得補償制度は効果がないから、農業生産基盤の整備により食料供給力を強化する必要がある。そのために(農業土木中心の)農業農村整備事業などに予算措置を講ずる」ように求めている点です。

 これは、まさに日本の農業を衰退させ、食料自給率を先進国で最低水準に落ち込ませた方向であって、国民や農業関係者がキッパリ否定した道ではないでしょうか。

 

 反対理由の第2は、戸別所得補償制度は、見直し・削減でなく、拡充こそ必要だからです。民主党政権の戸別所得補償は、所得補償の水準が低すぎ米価暴落を放置していることや、転作作物への助成金を全国一律にして多くの作物で引き下げたこと、輸入自由化と一体になっていることなどの問題点を抱えています。それを見直し、拡充することこそが必要です。

 わが国の農業再生に最も必要なのは、農家が安心して生産に励める条件を保障することです。その最大の柱は、農産物の価格保障を中心に、所得補償を組み合わせ、生産コストをカバーする施策をしっかり行うことです。

 

 反対理由の第3は、昨年8月の民主・自民・公明の「三党合意」が履行されていないからとして、その実施を求めるものだからです。

この「三党合意」は、民主党の目玉政策であった高校無償化や農業者戸別補償の予算を削減し、国民との約束を投げ捨てるものです。マスコミからも「国民不在の政策変更」と厳しく批判されていた通りです。

先月、「社会保障と税の一体改革」に関わり、野田首相から与野党協議を強く要請されていることに自民党の谷垣総裁が「事前に密室で談合しろという意味ならお断りだ。国会で堂々と議論していきたい」と発言していました。この「三党合意」は、谷垣氏も批判した「密室談合」そのものではないでしょうか。

県議会が、「密室談合」とも言える「三党合意」の履行を求めるなど筋違いも甚だしいと言わざるを得ません。

 

よって、この意見書には反対します。

議員各位のご賛同をお願いして討論を終わります。


 


 伊方原発3号機に関する申し入れ

2011年6月30日

徳島県知事 飯 泉  嘉 門 様

日本共産党徳島県委員会

委員長 上村  秀明

日本共産党徳島県議団 

古田 美知代

扶川   敦

達田  良子

 

伊方原発3号機に関する申し入れ

 

政府は、618日、「原発安全宣言」を行い、定期検査等で停止中の原発の再稼動を地元自治体に求めています。

しかし、政府が電力会社等に指示した安全対策は、政府自身が国際原子力機関(IAEA)への報告書に盛り込んだ福島第1原発事故の「教訓」に照らしてさえも不十分なもので、これをもって「安全性が確保された」とは到底言えません。「地震への対策の強化」も、過酷事故が起こった際の住民の避難体制をどうするかの対策も、全くとられていません。

そもそも、福島原発事故の収束の見通しもつけられない、事故原因の究明もできていない政府が、どうして他の原発は安全などと言えるのでしょうか。 

そうしたなか、四国電力は、定期検査で停止中の伊方原発3号機の再稼働を7月10日に予定しています。

愛媛県の中村知事は、伊方原発3号機再稼動の同意について「白紙」との考えを示していますが、もはや原発は立地県だけの問題ではありません。

県は22日の県議会本会議で、「福島原発事故を契機として伊方原発の安全性に関しては隣接県である本県としても極めて重大な関心を持っている。県民の暮らしの安全・安心を第一に考え、伊方原発の安全性の確保には万全を期すよう国や四国電力に強く働きかけていく」と答えました。

また、原発の安全対策では「福島原発事故の教訓を踏まえた検証」と「二度と同じような事故を起こさない万全の対策」が「何よりも重要」との認識を示しましたが、それらが未だ実施されていない現状においては、県の考え方からしても、原発の安全性が確保されたとは到底言えないのではないでしょうか。 

そこで、次の事項について要請します。 

一.県議会での答弁に基づき、県民の暮らしの安全・安心を守るため、伊方原発3号機を再稼動させないよう四国電力に強く働きかけていただきたい。



 補正予算を政争の具にするな! 
自民提出の意見書に反対討論


 6月15日、県議会開会日、自民党会派から、「震災からの復旧・復興に向けた補正予算の早期編成を求める意見書案」が提出されました。
 この内容は、早期の補正予算編成が被災地の望みとしながら、「菅直人総理は早期退陣し、−−−新しい体制で早期に第二次補正予算を編成し…」など、補正予算の編成は首相の退陣が条件のような内容でした。
 日本共産党県議団は、自民党案には反対し、補正予算の編成のみ求める内容の新風21案に賛成することとし、私が自民党案に対して反対討論を行いました。
 内容は次のとおりです。

     ***********************************
2011年6月15日  討論者  達田良子

私は、日本共産党を代表して、意見書に反対の立場で討論いたします。 

 2次補正の早期編成については、言うまでもなく私たちも同じ立場です。
 しかし、意見書は、菅首相の退陣を2次補正の前提条件とするものであって、被災地のみなさんが強く願っている補正予算を政争の具とするような意見書に賛同することはできません。

 自民党は、「菅首相がやめれば党派を超えて団結していく道はいくらだってできる」と退陣をせまっていますが、新しい政権になれば、震災や原発対応がきちんとできる保障もなければ展望も示せていません。

 管内閣不信任案提出の際、自民党の谷垣総裁が、不信任案が可決された後のことについて、「確固たる展望はない」と発言したことに見られるように、不信任案の提出自体が無責任極まりないものでした。

不信任騒動は、自公の党利党略、民主の党内抗争によるものであって、国民的大義は何もありませんでした。

 「被災地を放っておいて、いつまで政局にうつつをぬかしているのか」――これが国民の声です。昨日発表されたマスコミの世論調査でも、84%の圧倒的多数の国民が、「与野党協力して被災地の復旧・復興を急げ」という声をあげています。 

 ところが、その後も自民党は、管首相が退陣時期を明確にしないことを理由に、政治を停滞・混迷させています。

 一方の民主党も、一国の総理の発言に対して前総理が「うそつき、ペテン師」呼ばわりし、民主党代表代行の仙谷官房副長官も菅首相に早期辞任を促す発言をするありさまです。ポスト菅をめぐっては、自公と小沢グループから理解を得られることが人選にあたって最大の基準となり、全くの国民不在です。

 

 大震災から3カ月が過ぎましたが、被災者の支援や被災地の復旧・復興は大きく立ち遅れています。

一次補正は成立したものの、まだまだ仮設住宅は足りません。ガレキの処理も進んでいません。依然8万人を超える方々が避難所生活を強いられています。

二重ローンの問題もあります。「マイナスからのスタートでなくて、せめてゼロからのスタートを」――商工業者、漁業者、水産業者、農業者、みんなが願っています。

原発危機も一向に収束しません。いつになったら自宅に帰れるのか、農業ができるのか、事業を再開できるのかなど、先がまったく見通せない状態に置かれ、復興の足がかりさえつかめず、見えない放射能の不安におびえる毎日をすごしています。 

2次補正では、第1に個人の生活を雇用を含めて保障すること、第2に中小業者や漁業、水産業、農業の再興、第3にインフラの再建や、医療・介護・福祉・教育など命と暮らしを支える基盤の再構築、第4に原発災害の危機収束、放射能対応と被災地の仮払い――これらを急ぐ必要があります。

 スピードを上げて復旧・復興を行うと同時にそれを行いうる2次補正を組む、その政治責任を果たすかどうかが、いま問われているのではないでしょうか。これ以上、国民不在、被災者置き去りで、政治を停滞・混迷させることは許されません。 

戦後未曾有の国難に見舞われたときだからこそ、被災者の救援、当面の原発危機の収束、こういう問題では党派をこえて力をあわせるべきです。

同時に、復興のあり方とか今後の原子力政策をどうするのか、私たちは「原発ゼロ」を決断すべきだとの考えを持っていますが、対立する点は堂々と議論をたたかわせていくべきです。

これこそが、いま政治に求められていることではないでしょうか。 

 本意見書は、自公の党利党略に徳島県議会の名でお墨付きを与え、後押しするものです。県民の思いと甚だしく乖離したものでありますので、反対いたします。

 議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。




 ■2011年3月23日に日本共産党四国ブロック事務所が、伊方原発に関して四国電力に行った申し入れ書は下記のとおりです。




四国電力株式会社 御中

2011年3月23日 

 

            日本共産党国会議員団四国ブロック事務所所長 笹岡 
                  日本共産党香川県委員会 委員長    松原昭夫
             日本共産党愛媛県委員会 委員長    林 紀子
                  日本共産党徳島県委員会 委員長    上村秀明
                  日本共産党高知県委員会 委員長    佐竹峰雄
                  日本共産党香川県会議員団  樫 昭二、白川容子
                  日本共産党愛媛県会議員   佐々木泉
                  日本共産党徳島県会議員団  山田 豊、古田美知代、扶川 敦
                 「日本共産党と緑心会」高知県議団
                     田頭文吾郎、塚地佐智、米田 稔、中根佐知
                     谷本敏明(緑心会)


懇談及び申し入れについて

 

日頃の県民の暮らしを支えるご尽力に敬意を表します。

さて、3月11日に発生した「東日本大震災」は、これまでに経験したことのない未曽有の被害を東日本の広域にもたらしました。そして、今なお数万人の安否・行方不明者がおり、被害実態の全容もつかめていません。また、難を逃れて救出された被災者の中から慣れない避難所生活などから新たな犠牲者がでており、今こそ国はもとより、全国民、全自治体が救援と復興に集中すべき時です。

その時、救済と復興に大きな障壁となり、なおかつ人命を危険にさらし、甚大な被害をもたらす東京電力福島第一原子力発電所の事故は、いま重大な事態に陥っています。

日本共産党は15日「原子力安全委員会のもとに専門家の力を総結集して対応を」との緊急の申し入れを菅直人首相に行ってきました。政府の責任において、最悪の事態をさけるため、効果的な対策を求めるものです。

四国においても近い将来南海地震が予想されており、東南海、東海地震との連動も懸念されています。「東日本大震災」を教訓として深く学び、県民の生命と財産を守るという原点にたったエネルギー政策の抜本的な見直しが必要と考えます。

以上の点を踏まえて、下記内容で意見交換ができればと思っていますので対応をよろしくお願いします。

                記

 

@南海、東南海、東海地震が連動して発生すれば、「東日本大震災」規模の被害が予想されます。3月16日、東京の外国特派員協会で、東京電力福島第一原発を設計した東芝の元技術者、小倉志郎さんが記者会見し「1967年の1号機着工時は、米国ゼネラルエレクトリック社(GE)の設計をそのままコピーしたので、津波を全く想定していなかった」と明かしました。東京電力福島第一原発と御社の伊方原発との違い、「東日本大震災」規模の津波・地震への対応策についてお聞きします。

 

A原発の安全対策の要である原子炉冷却システム、使用済み核燃料の冷却システム、放射能の飛散を防ぐ対策とそれを稼働させる非常用電源の確保についてお聞きします。

 特に、非常用ディーゼル発電機の津波対策や緊急時の冷却水源の確保、海底・地中埋設ケーブルなどによる予備電源の確保など現状と今後の計画についてお聞きします。

 

B昨年2月、御社において、原子力発電、火力発電、水力発電、自然エネルギー等の電力供給状況と今後の見通しを伺いました。そしてこの間、坂出市でのLNG導入や松山市での太陽光発電所実施など安定的な電力供給にご尽力いただいています。

 現在の電力供給能力と年間発電能力、供給実績、利用率などお聞きします。

 

Cいま日本列島で起こっている地殻変動は「地震学の限界」と専門家がのべるなど、想定できない自然の猛威にさらされています。「東日本大震災」の実態をみれば原発の「安全神話」は崩壊しており、原発依存から脱却する抜本的なエネルギー政策の転換は急務です。

昨年の説明では、水力発電の年間発電能力の内、利用している率は、32.5%、火力発電の場合は、65%とのことでした。当面、この水力・火力発電の利用比率を高め、太陽光発電、潮流発電など自然エネルギー開発・普及にシフトすることによって原発依存から抜け出し、県民の不安を取り除くことができます。

老朽化が懸念される伊方原発1号機の運転延長と3号機のプルサーマルの中止、2号機、3号機の運転を随時縮小することが東京電力福島第一原発事故の教訓からも御社の姿勢として求められていると考えます。見解をお聞きします。

 

D東京電力福島第一原発事故での初期対応の「誤り」が指摘されています。重大事故の緊急対策体制として「原子力安全委員会」を中心に、あらゆる専門家、専門家集団の英知を結集して、事態の把握と、危険の除去、安全対策をはかるべきだと考えます。特に、科学的知見を蓄積している放射線医学総合研究所の活用など早急に検討すべきです。現在の対応マニュアル含め見解をお聞きします。

 

E放射能測定について、施設内と施設外での実施状況と今後、充実させる必要性についてお聞きします。また、作業員の被ばくを防ぐためにも作業ロボットの導入についてご意見をお聞きします。

 

以上

 

◎出席者

日本共産党国会議員団四国ブロック事務所 笹岡 優 所長
   香川県 松原 昭夫 日本共産党香川県委員長
       樫 昭二  県会議員
         白川 容子 県会議員
         浜崎 好人 県委員(赤旗記者)
   徳島県 扶川 敦  県会議員
   高知県 春名 直章 元衆院議員
   愛媛県 林 紀子  日本共産党愛媛県委員長
       佐々木 泉 県会議員
       山岡 美美 日本共産党愛媛県政対策委員長
       小島 建三 県委員(愛媛民報編集長)






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